Demonは2022年春夏コレクションの発表にあたり、彫刻家であり建築家でもあるMarc Leschelierとコラボレーションし、Spazio Maiocchiでインスタレーションを制作しました。このイベントでは、Marc LeschelierとDemonのクリエイティブディレクターであるAlberto Deonが、コラボレーションのきっかけや抱負について自由に語り合います。
レシェリエは、独特の芸術的語彙を駆使して、記憶、実験、伝統、領土化という中核的価値観を中心としたブランドの物語と折衷的な研究を再解釈しました。
この講演は建築家であり教育者でもあるジャイルズ・ナーティ氏が司会を務め、コラボレーションの背後にあるニュアンスを見極めることを目的とした一連の質問が企画されました。
GN
あなたの関係はどのように始まったのですか?
ML
パリで出会い、建築と靴のデザイン、特にこの二つの業界の進化について話し合いました。DemonがVibram社のプレファブリケーションソールを使用していること、そして建築においてもプレファブリケーション素材を組み合わせて新しいデザインを生み出している点に共通点を感じました。私の建築における語彙もプレファブリケーション素材で構成されているのですが、靴業界がどのようにしてこれほど多様な製品を生み出してきたのか、そしてプレファブリケーション素材をカスタマイズすることで小規模なカプセルコレクションを作り上げているのか、興味がありました。建築業界は靴業界から多くのことを学ぶことができると思います。
ML
金型のコストに関しても同様の制約があり、例えばコンクリートブロック用の金型を作るのにかかる費用は、新しい靴底の金型を作るのと同じくらい高額です。しかし、靴業界は他分野の知識を取り入れることで、より革新的な発想をしてきたようです。そうすることで、靴の表現の幅が広がりました。
GL
あなたの確立した作業方法のどのような点をこのコラボレーションに持ち込みましたか? また、以前の作品とどう違いましたか?
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まず第一に、この作品はマークのこれまでの作品の中で最も力強いものでした。さらに、この作品で彼は、彼の芸術を特徴づける二つの表現言語、すなわちレンガ積みの硬直性とコンクリートテキスタイルの流動性を融合させようとしました。ある意味で、私は彼の手法におけるこの新たな拡張を促し、促進したと思っています。少なくともそう願っています！個人的には、囲いというアイデアに非常に惹かれました。
ML
アルベルトは私に白紙委任を与えてくれましたが、同時に、議論の中で、ブロックとテキスタイルの語彙を融合させるよう促されました。私にとってはプロセスという点ではそれほど大きな違いはありませんが、自分と同じ期待を持つ素晴らしい発注者がいると、すべてが変わります。私たちは、それ自体が語る建築インスタレーションを作りたかったのです。靴のように、言葉で理解される必要のないものがほとんどです。これは私が建築において批判してきたことでもあります。コンセプトと実現方法の間にある距離です。
GN
あなたの仕事において物質性はどれほど重要ですか?
ML
私の作品において、マテリアリティ（物質性）は非常に重要ですが、同時に作品の中心ではありません。多くの人が私の作品はコンクリートブロックやコンクリート、そしてそれらの素材の研磨性に関するものだと考えていますが、それは事実です。しかし、実際には、私の作品の主題は建築の実践にあります。私の作品は、今日の建築の状況と深く関わっています。もはや創造的な行為とは見なされなくなっている建築分野への、ある種の反応と言えるでしょう。それどころか、建築は自由を不可能にする法則の体系に支配された規律となっています。私の作品のメッセージは自由についてであり、建築分野では改めて議論されるべきものです。つまり、マテリアリティはメッセージの伝達手段であり、主題ではないということです。
GN
あなたの主な参考文献は何ですか?
ML
私にとって非常に重要な建築作品とは、建築が何か別のものへと変貌する瞬間です。例えば、建築が彫刻になる瞬間です。このような変容の瞬間は、めったに見られません。例えば、ミケランジェロがフィレンツェのラウレンツィアーナ図書館の階段を建設していたとき、彼は彫刻家として建築を設計していましたが、建築の語彙は彫刻的な特性や質を吸収することで、ある種の閉塞感を抱くようになりました。
窓は塞がれ、装飾要素は矛盾を抱え、階段は壁に固定されておらず、まるで彫刻のように切り離されている。同時に、私の主要な参照は芸術分野にも属している。ウィーンのアクティビズムのような解放の瞬間は、あらゆる危険を伴いながら、
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私の参照先は、他のデザイナーというよりも、ムーブメントや思考の流れに多岐にわたります。マニエリスムという概念にインスピレーションを受けていると思います。マニエリスムはムーブメントというよりもむしろ態度であり、成熟期の芸術運動の作品群の中で芽生え、不完全さを探求して発展させようとする、芸術に根ざした特別な行動様式です。この意味で、マニエリスムは特定の芸術言語の現状と対比させ、新たな方向性を示唆しています。それが私がDemonで試みていることです。
GN
あなたの実践において、デジタルとフィジカルの関係とは何ですか?
ML
ディテールを描き、作品を表現するためにデジタルを使うこともありますが、作品の開発には主に物理的な模型やモックアップを使っています。デジタルは、インスタレーションで使用するブロックの数を簡単に数えるのと同じくらい、単純な手段に過ぎないこともあります。デジタルを作品に活用することで、建築の規範的な文脈から脱却するための新しい実践や可能性をどのように提案できるか、興味があります。しかし今のところは、物理的な語彙の開発に集中しています。それは、既成の建築語彙から別の意味を構築しなければならないという思考に没頭しているようなものです。
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建築教育を受けた私は、デジタルシミュレーションを大量に吸収してきたため、このプロジェクトに取り組む際、いかなるスクリーンを通してもデザインにアプローチすることに抵抗を感じていました。むしろ、素材を探求し、デザインのアイデアを根本から生み出すことを好みます。物理的なインスタンスや素材の切れ端、靴底、微細構造などから着手するのです。つまり、シリアル化を気にすることなく、感情や印象を物質に凝縮する彫刻的な段階から始めることができるのです。この段階の後には、「痛み」の段階があり、そこでは自分が作り上げたキメラを見直し、工業化バージョンをリバースエンジニアリングしなければなりません。とはいえ、デジタルツールとの融合も視野に入れています。特に3Dモデリングを考えています。この2つの領域を融合させ、両方のインプットを最大限に活用できる「フィジタル」なプロセスで制作を始めたいと思っています。一方で、これまでデジタルツールを使ってコミュニケーションを強化してきましたが、ブランドの成長に伴い、デジタルによる変更やテクノロジーの重要性はますます薄れていくと感じています。むしろ、製品そのものに語ってもらいたいと思っています。結局のところ、私たちが扱っているのは製品なのですから。
GN
あなたはコミュニティという概念をどのように捉えていますか？また、それはあなたの実践にどのような影響を与えていますか？
ML
コミュニティは、自分の欲求の中で孤独を感じたり孤立したりしないために、とても重要だと思います。しかし、建築というシステムから抜け出そうとする建築家はあまりいないと言わざるを得ません。私は芸術家や彫刻家としてだけでなく、建築家としても、そして建設という行為、そして建築の語彙の発展と拡大に携わる人としても認められたいと思っています。
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デザインはデザインを中心に回ることは稀です。いや、より正確に言えば、デザインは文化的表現としてのデザインの一側面に過ぎません。デザインに意味を与えるのは、それが由来する社会的属性と、それが代表する社会集団です。それは鉛筆で紙に形を描くよりもはるかに広範であり、どんなに最先端のプラグインを備えていても、Rhino7のインターフェースに浮かぶニュアンスよりもはるかに多様です。過剰なデザインはある程度、退屈につながります。今こそ、これまで以上に形態は（脱）デザインとなり、形態そのもの以外の何かを「意味づけ」する必要があります。
つい最近、コミュニティという概念の真の意味を改めて認識し始めました。Slam Jamを通してこの市場にデビューしたことが、私のファッションに対する理解に大きな影響を与えていると思います。ある意味で、特定のコミュニティが持つ文化的負荷は、デザインのもう半分を担っていると言えるでしょう。社会的地位、価値観、ライフスタイル、グループへの所属といった要素は、デザイン作品が持つ人類学的な負荷を包含しています。現代では、あらゆる産業的要素が発達し、物に形を与え、その美的特異性を表現することは、かつてないほど困難になっています。これは、デザインという行為そのものを揺るがし、その特定の形が何を表象し、どのような価値観や感情を発信しているかという点に焦点を移しています。コミュニティは、こうしたプロセスを促進する触媒なのです。
GN
お二人とも建築のバックグラウンドをお持ちですが、マニフェストの概念はどのような点で 21 世紀においても依然として意味があるのでしょうか?
ML
建築史において、マニフェストが極めて重要であることは事実です。建築は論文やマニフェストによって構造化され、推進されてきましたが、今日ではそれらはあまり一般的ではなく、文書化されることも少なくなっているようです。これは、思考を読んだり書き記したりする時間がなく、すべてが即時性と視覚的なコミュニケーションにかかっている現代社会と関係しています。まるでテレパシーの典型です。すべてが直接的で、我慢することなく消費されるべきです。悲しいことなのかどうか、分かりません。私たちは多くのものを失っているかもしれませんが、それが現代のルールであり、誰もがこの文脈から素晴らしい作品を生み出すことができるのです。
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マニフェストは、アイデア自体がはるかに壮大な魅力を持っていた時代に根ざしています。たとえそれが複雑な知的迷路にとらわれることを意味するとしても、アイデアを議論することは、文化を生み出す行為において重要なプロセスでした。しかし、現代ではこの手順は崩壊し、即時性が重視されているように思います。それは主に、リベラリズムが目新しさによって栄え、目新しさにはスピードと勢いが求められるからです。私は、何かを世に出す前に「理論集成」を作成するという古い慣習に影響を受けています。だからこそ、私は常に自分のアイデアを口に出して試そうとするのです。声に出して、思考の間に三段論法的な即時性を探します。そうすれば、より明確なビジョンが生まれると確信しているからです。
